株式会社富士通研究所の子会社である株式会社米国富士通研究所では、人々の生活に密着した情報システムの研究開発をめざして、米国ワシントンD.C.の近郊に新しい研究拠点、FLA,
College
Parkを新設いたしました。この研究所では、最先端のコンピュータ技術の研究開発を推進する予定です。 |
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▲FLA, College
Park |
■開所式
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▲開所式での鏡割の様子 |
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新研究所の設立に先だって、FLA,
College Parkの開所式が、2001年3月26日、Maryland大学のPerforming Art
Centerで行われました。開所式は、Maryland州Glendening州知事を始め、Maryland大学Mote
Jr.学長、連邦政府関連、州政府関連、Maryland大学関連、日本大使館の北島公使、政府関係団体の方々、当社のお客様など80名を越える方々にご列席いただき、盛況なうちに執り行われました。
<写真
左からGlendening州知事、藤崎富士通研究所社長、林米国富士通研究所社長、Mote
Jr.メリーランド大学長> |
■FLA, College Parkでの研究 FLA, College
Parkでは、インターネット技術をさらに進化させ、人々の生活に密着したコンピュータの実現をめざし、パーベイシブコンピューティング、ネットワークセキュリティ、バイオインフォマティクス、量子コンピューティングなど最先端のコンピュータ技術の研究開発を推進します。 20世紀にはコンピュータの能力が長足の進歩を遂げ、私たちの暮らしを情報化社会へと変貌させました。特にこの数年間で急激に広まったコンピュータとインターネットは、電子マネーや電子市場取引などの仮想世界を生み出しました。この20世紀のコンピュータやインターネットの成功は、コンピュータをできる限り現実世界から切り離し、数学的な処理をより大量、より高速に行うものとして追求していくことにより可能となったものでした。 しかし、こういったコンピュータに大きく依存した社会の中で、コンピュータを使うための能力(コンピュータリテラシー)格差の問題や、簡単にデータをコピーできてしまうといった著作権問題、各種の情報が漏洩したり、コンピュータに不正に進入されたりといったセキュリティ問題などの独特の問題が増えています。 このような問題を解決するためには、コンピュータの利用環境をもっと良く考えて、人々が生活する上で、コンピュータというものを特別に意識することなく、しかし裏ではコンピュータによってつねに安全に支えられているといった次世代のコンピュータへの進化が不可欠です。 そこでFLA,
College
Parkでは、まず人の行動に密着したコンピュータとそのネットワークの技術として、パーベイシブコンピューティングの研究開発に取り組みます。 パーベイシブコンピューティングとは、水面を波紋が広がるようにコンピュータが社会に普及していく様子を表した言葉で、21世紀の社会はコンピュータが人々の生活をさまざまな形で支えていくといったメッセージが込められています。 また、パーベイシブコンピューティング技術を活用して、PDA、携帯電話、各種のセンサ、組込み機器などに、位置情報を知覚させ、相互に無線で交信することによって、場所や状況を判断し、人にさまざまなサービスを行う情報システムの研究に取り組みます。そして、これらの研究を通じて得られた研究成果を社会インフラとして広く普及させるために、テスト環境を構築し、具体的なフィールド実験をメリーランド大学と協力して行います。この技術は、地域情報サービス、旅行案内、医療サービス、災害時サービスなどの幅広いサービスに応用可能です。 さらに、新研究所では、将来、ネットワークを社会インフラとして定着させるのに必須なネットワークセキュリティ、ゲノム医療の発展普及に貢献するバイオインフォマティクス、そして素子の微細化の限界を克服する可能性を秘めた、まったく新しい動作原理に基づく量子コンピューティングなどの最先端の技術開発にも取り組む予定です。
●お問い合わせ先 (海外) Fujitsu
Laboratories of America,Inc., College Park TEL
+1-301-486-0398 (国内) 富士通(株) 広報室 TEL 03-3216-7952 |